ひき肉の事を「ミンチ」と呼ぶのに、ひき肉を油で揚げた料理は「メンチカツ」と呼ばれます。ひき肉の事をミンチと呼んでいるなら「ミンチカツ」でも良いのでは?

実は、関西ではミンチカツと呼ぶところもあるのをご存知でしたか?ここでは、TV【この差って何ですか?】で放送していた、ミンチとメンチの違い、メンチカツの誕生についてまとめています。

銀座「煉瓦亭」でメンチカツが最初に誕生していた!

実は、ひき肉を「ミンチ」呼ぶようになる前に、「メンチカツ」という料理はすでに誕生していました。

「メンチカツ」を最初に考案したのは、東京の銀座にある創業明治28年の「煉瓦亭」と言われています。煉瓦亭の初代の店主 木田元次郎が明治32年頃につくったそうです。

当時、日本には多くの外国人が訪れるようになりました。そこで、洋食レストラン「煉瓦亭」がオープンします。

その煉瓦亭には豚肉にパン粉をつけて油で揚げるポークカツレツという料理があり、それをヒントに、ひき肉バージョンとしてひき肉を油で揚げる現在の「メンチカツ」が誕生します。

メンチカツという料理名は聞き間違えからつけられた

結果を先に言うと、メンチカツという名前が付けられたのは、初代の店主の聞き間違えからになります。

ひき肉を油で揚げた料理の名前を決める時に、店主は外国人のお客様にひき肉の事を英語でなんというのか聞きました。

その時、外国人のお客様は「Minced meat(ミンスミート)」と言ったのですが、店主は「メンチミート」と聞き間違えてしまったのだそうです。そして、それを日本人にも分かりやすく「メンチカツ」と名前がつけられたそうです。

モダン辞典の発行によりひき肉のことをミンチと言うようになる

そして、ひき肉がミンチと言われるようになった理由です。

最初に、メンチカツが有名になり、全国にメンチカツが広まっていきます。すると全国でひき肉の事を「メンチ」と呼ぶようになりました。

しかし、昭和5年に流行語や外来語をまとめた「モダン辞典」と言う辞書が発行されます。そのモダン辞典は、新聞用語や専門用語お解説に使われるほど大きな影響力を持つ辞書。

その辞書に、ひき肉を意味する言葉として「ミンチ」が採用されました。その後、ひき肉の事を意味する言葉として全国にミンチが認識されるようになったそうです。

モダン辞典でミンチを採用した背景には関西が!

全国でメンチカツと呼ばれて広まっていきましたが、関西ではひき肉を油で揚げた料理の事をミンチカツと呼んでいます。

その理由は材料の違いです。関東でつくられるメンチカツは豚肉と牛肉の合挽きで作られています。一方、関西でつくられる時は牛肉100%の合挽きでつくられています。

使われている材料が違うので別の料理だと言う事を分かりやすくするためにミンチカツと呼ぶようになったのだとか。

  • 関東では・・・豚肉と牛肉の合挽きを使うメンチカツ
  • 関西では・・・牛肉100%使うのでミンチカツ

そして、モダン辞書を作る時に、英語のミンスに近いミンチが採用されたことで、その後、全国的にひき肉の事をミンチと呼ぶようになったそうです。

ですが、メンチカツと言う料理名は全国で定着していたので、いまもメンチカツと言う料理名は残されているそうです。